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KPIの恐怖 ー 販促会議で事例の予算を取る方法(4)

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     販促施策に限らず、何からの施策が上手く行っているかどうか、それは「KPIを定義してそれを追えば分かる」という考え方があります。


    KPIとはキーパフォーマンスインジケーターの略で訳すと「重要業績評価指標」というとても立派な言葉になります。「この施策のKPIは…」といえば、何だかかっこいいです。



    しかし村中はKPIという言葉を安易に使うことには反対です。


    その理由は「KPIを追えば施策の良し悪しを評価できるというが、ではそのKPI自体が適切かどうかをどうやって知るのか? 不適切なKPIで計測すると、正しい施策もダメな施策に評価されてしまう」と思うことです。

    またKPIという三文字言葉も嫌いで、単に「判断指標」と言う方が議論がブレないように思います。

    ***************************


    さて最近、弊社の顧客の某企業のマーケティング部の人からKPIについて相談を受けました。


    (Aさん):「カスタマワイズでいくつか事例を作りました。内容は営業部にも好評ですし、事例を掲載して以来ホームページからの問合せも増えています。


    しかし私たちが顧客事例に対して設定したKPIは、「ホームページ上で事例を見たその直後に問合せがいくつ生じているか」でした。この基準で見た場合、正直、事例閲覧直後の問合せはほぼありません。ホームページに事例を載せても効果はないのでしょうか」


    これに対し村中はまず質問しました。


    「数ヶ月前にAさんはホームページ経由で弊社に問合せをくださいました。それはどういうタイミングでしたか?」


    (Aさん):「事例制作各社のホームページを見比べた結果、部内でも協議した結果、カスタマワイズが良いだろうという中間結論になったので、それから改めて問合せをしました」


    (村中):「つまり『(1)まずホームページ(HP)を見て』→『(2)それから部内で協議して』→『(3).改めてHPから問合せした』という流れですね。

     このAさんの行動を『HP回遊直後の問合せをHP内コンテンツのKPIとする』という視点で評価すると、「(1)の段階では「来訪者はホームページ内のコンテンツをいろいろ見てはいるが、直後の問合せには結びついてない。一方、(3)の段階ではホームページに来るなり問合せをしている。このことから「HP内の多くのコンテンツは、問合せにはまったく結びついていない。無駄である」と結論できることになります」

    (村中):「御社の事業が一般消費者向けのネット販売か何かでしたら、「(1)何かのコンテンツを見て欲しい気持ちが高まる」「(2)そのままワンクリックで衝動買い」という経路もありえます。


     しかし法人の購買でそうした「衝動買い」はありえません。事例を見て、わーこの商品すごい、欲しくなっちゃった、問合せしちゃお!と行動する会社員はいないということです。以上のことを考えると『事例閲覧直後の問い合わせの数』はKPIとして不適切かもしれません」



    *******



    以前ある人が「我が社のホームページのKPIは、『問合せ数』である」と語っているのを聞いたことがあります。


    KPI!と言われるとスゴイことのように聞こえるのですが、しかし、よくよく考えると、あまり意味の無い考え方のような気がします。


    もちろん問合せ数が多い方がいいホームページであるに決まっています。しかし、それをKPIに据えるというのは、

    「会社の業績は利益で分かる」
    「営業マンの良し悪しは、売上げをKPIにすれば分かる」

    と言っているのと同じです。


    利益や売上げは結果であり判断指標ではない。同様にHPにとっての問い合わせ数も指標ではありません。


    *******


    KPIというものを村中なりに定義すると、それは「いくら粉飾しようとしても、そこだけは誤魔化せない部分」「だからこそ、それを見れば真実が分かってしまう指標」のことだと思います。


    いくつか例を挙げます。


    ------------------------------------------------------------
    税務調査官が『ホテルがいくら売上げを誤魔化そうとしても、タオルなどリネン類の仕入れ額の流れを見れば、本当の宿泊者数が分かる』というとき


          → リネン類の仕入れ量が、売上げのKPIになります。

    ------------------------------------------------------------

    女性が「年を取ったとしても、顔や髪なら化粧やスタイリングで誤魔化せる。でも首筋と手だけはどうにもならない」というとき、

        → 「首筋と手が、女性の見た目年齢のKPIとなります」


    ------------------------------------------------------------
    工場のベテランが「いいか、片付けができないヤツは、結局ケガするんだ」というとき


        → 整理整頓が工場の安全度のKPIとなります。


    ------------------------------------------------------------

    この道一筋何十年のナントカ職人が「仕事の良し悪しは、『○○の裏』を見れば一発で分かる」というとき、


             →「○○の裏」が仕事品質のKPIになっています。

    ------------------------------------------------------------


    どの例を見てもわかるとおり、いずれのKPIも「プロとしての洞察」に基づいています。KPIを「誤魔化しようのない何か」と定義するならば、それを見抜けるのはプロだけです。


    これを逆に言えば「プロとは『適切なKPIを設定できる人』のこと」と定義できます。


    「何をKPIとしているかで、あなたの実力が分かる」ともいえます(これは、「何をKPIと見なすかが、そのままその人の実力のKPIとなってしまう」という二重構造になっています)


    適切なKPIを定義するのは難しいことです。

    「今回の施策、KPIは何にする?」
    「うーん、○○の数字でも見ておけばいいんじゃないの?」

    といった安易な会話で設定できるものではないような気がします。


    (この稿、次回に続く)


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