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ある着物ECショップ店主の相談に答えて

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    ■ 伊賀米はおいしいけれど…

    三重県の伊賀市に出張にいったとき、ご飯を食べたら、お米がたいへん美味でした。忍者の里のイメージの濃い、伊賀市ですが、鉄道で出かけてみれば車窓からは緑の水田が広がる米どころです。


    しかし、この伊賀の米は、おいしいけれども、全国的には売れないでしょう。なぜかというと、名前がないからです。「伊賀米」では、商品名として弱い。そもそも「伊賀」という地名には、「お米のおいしさ」を連想させるバックグラウンドがないので、米の名前には向いていません。いや、別においしいからいいんですけど、でも、全国ブランドにはならないだろうなと(ご当地の皆さんは、別にブランドにしたいとも思っていないかもしれませんが)



    ■ 実は種苗法登録されていない「あきたこまち」

    一方、「あきたこまち」というお米があります。食べるといかにも美人になりそうな名前で大ヒット。かつてお米の名前といえば、従来のコシヒカリ、ササニシキ、ヒノヒカリという若干、固い名前が相場でしたが、あきたこまちがヒットしてからは、ひとめぼれ、きらら、ほのか、めんこいな、つや姫など女性的な命名が主流になりました。


    現在、日本のお米で作付け面積が10万ヘクタールを越えているのは、コシヒカリ(60万ヘクタール)、ひとめぼれ(15万8000ヘクタール)、ヒノヒカリ(15万7000ヘクタール)、あきたこまち(12万ヘクタール)の四品種だけです。


    しかし、実はあきたこまちは、そもそもの由来が福井県交配種子を用いて育成した米なので、種苗法による品種登録はされていません(コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリはすべて登録有り)。もちろん、おいしいお米なのですが、あえて言うなら「名前で勝ってる商品」なのです。

    ■ 名前がある着物、名前がない着物

    なぜ今回、お米の名前の話を、延々続けているかというと、先日、名古屋で講演をした後の打ち上げで、着物のネットショップ2店から拡販の相談を受けたからです。片方のお店は、名古屋伝統の「有松絞り」の浴衣を売っているお店でした。こちらの事例による拡販プラン作りはスムーズに話が進みました。一方、もうひとつのお店は、「長年卸をやってきたが、販売に乗り出したい。ウチは品質とデザインの斬新さには自信があるが、その良さがお客になかなか伝えられない。今、ウチに必要なのは良いキャッチコピーだと思う」といった相談内容でした。村中は、その人に、「その着物の製作技法なりデザインに、名前はありますか? 有松絞りとか、そういうのは?」と聞きましたが、「名前はない」という返事でした。


    村中は、個人的には、この着物店に必要なのは、キャッチコピー以前に、何らかの「名前」だと思いました。あきたこまちの味の特徴は、粘りのある食感で、おにぎりなど冷めてもおいしいと評価されている点ですが、そういう味の特色をキャッチコピーにまとめたとしても、大ヒットにはつながらないでしょう。やっぱり、「あきたこまち」という、食べたら美人になれそうというユーザー御利益を表現した名前が重要です。


    あきたこまちは、「秋田」という名前がモロに入っているにも関わらず、西日本でも作付けされており、「愛媛県産あきたこまち」があります。これは、「秋田=美人」というイメージが全国区であることを示しています。やはり、和物は伝統に根ざしている方が強い。おとなり山形県の「つや姫」は、きっとおいしいのでしょうが、ネーミングの伝統の点では、あきたこまちに一歩、負けている感があります。



    ■ もしあなたに名前がなかったら…

    名前というのは、あるのが当たり前なので、あまり重要視されませんが、物を広めていく上で、これほど重要なものもありません。これは思考実験ですが、もし「ビートルズ」にそのバンド名がなかったら、「イエスタディ」という曲名がなかったら(別の曲名がついていたら、ではありません。曲名がなかったら、です)、私たちはイエスタディのあのメロディをどう聞けばよいか分からなくなります。もしハリーポッターの本から、タイトルを奪ったら、内容は同じであっても、どう読んでいいか分からなくなります。もし私やあなたから名前がなくなったら、有名になることは不可能ですし、生活していくのも難しいのではないでしょうか。


    相談のあったお店のホームページを見たところ、「パーティ着物」という名前がありました。これは一見、平凡に見えて、とても良い名前だと思います。「パーティに着ていけるような、華やかな着物」というユーザー御利益が、名前を見た瞬間にすぐ分かるからです。この名を考えた店主も、同じ印象を持っていたそうで、「パーティ着物」という名前を登録商標しようとしたそうです(結局、「名前が一般的すぎてダメだった」とのことでしたが)。


    さて、ここまで「名前が重要」ということを言い続けましたが、これだけでは評論家になってしまうので、ひとつ、この着物店の商品の名前を考えてみたいと思います。「あきたこまち」のように、美人になれそうというユーザー御利益が明確で、かつ「秋田=美人」という既存の全国区イメージに乗っかれる、この名古屋の着物に、そんな名前はつけられないものか。



    ■ 自分でも考えてみた。

    まず「秋田美人」に相当するような、何らかの「伝統イメージ資産」が名古屋にないかと考えてみます。しかし、うーん、名古屋というと、村中のイメージですと、金のシャチホコ、味噌カツ、海老フライ(えびふりゃー)、トヨタ、モーニングなどなどで、あまり女性的、着物的、はんなりした要素が浮かびません。名古屋を舞台にした名作文学や名作映画も記憶にありませんし、「名古屋美人」、「名古屋の女(ひと)」などの言葉も聞いたことありません。


    しかし、よく考えると名古屋には「女性イメージ資産」として、他県にない特徴を持った言葉があります。それは「名古屋嬢」です。


    トヨタなど大企業がある名古屋はお金持ち県として有名です。リーマンショック前の2007年には一人当たり県民所得は東京に次ぐ2位でしたし、今でも3位をキープしています。


    そんな背景からから生まれたのが「名古屋嬢」という女性像です。イメージとしては、ヘアースタイルは名古屋巻と呼ばれる盛り上がったゴージャスなロングヘアー、アイメイクはしっかり強調、服装は全てブランド品、幼稚園から大学(短大)まで有名私立学校に通い、蝶よ花よと育てら、卒業後は就職せずに家事手伝い、同じく派手派手な母親と、仲良く町に出てブランド品ショッピングを楽しみ、いつかは父親と同じような大金持ちの男性と結婚するのが夢…といったところでしょうか。


    (余談ですが、日本の女子フィギュアスケートは、浅田真央、安藤美姫、中野友加里など大半が名古屋出身です。これは、フィギュアスケートはお金がかかるのと、見た目が華やかなのが名古屋人気質にマッチしているからという説があります)


    村中の知る限り、「地名」の後に「嬢」を着けるネーミングは他にありません。「芦屋のお嬢様」というのも一応ありますが、やはり、金持ち度、イケイケ度、派手派手ゴージャス度では、名古屋城を模した「名古屋嬢」は他を圧しています。「熊本嬢」、「大阪嬢」では決まらない、感じはゴージャスさ満載のはずの「姫路嬢」でもやはり弱い。「嬢」といえば「名古屋嬢」しかありえない気がします。


    このゴージャスなイメージ資産を使わない手はないのではないでしょうか。というわけで、村中が考えてみて着物のジャンル名が、


    「名古屋パーティきもの」


    です。


    村中の個人的イメージではあるのですが、「名古屋パーティきもの」と言うだけで、見た人の脳裏には、名古屋嬢のゴージャスなお金持ちイメージがかけめぐってくれるかもしれません。この言葉に反応するお客はいるのではないかと。


    なお「名古屋【嬢】」という言葉そのものはこの先、死語になる可能性があるので使わないことにします。また、「名古屋嬢」まで言い切ると、超豪華な着物でなければいけませんが「名古屋」どまりならそこそこゴージャスぐらいでも大丈夫かなと。

    この商品名が女性にウケるかどうか確証はまったくありません。単に村中の妄想アイディアで終わるかも知れません。しかしひとつ確実に言えることは、「もしこの名前が当たった場合、他県のライバルはマネができない」ということです。


    ECショップの世界は、競争が激しく、またマネやパクリも多いと聞きます。そんな中で永続的な差別化を果たそうと思うなら、他県が使うことのできない、自分の「ご当地イメージ資産」を使うのが得策ではないか、そう考えた次第です。


     



     


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