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事例質問術 〜 アイスブレークより趣旨説明

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    初対面のときに緊張感を解きたいならば、いきなり本題に入らず、最初はちょっとした冗談、雑談を交わすという「アイスブレーク」を行えばよいと良くいわれます。

    しかし村中は自分の事例インタビューの標準プロセスには、アイスブレークを組み込んでいません。正直、アイスブレークとか、やらないことの方が多いです。

    その理由は、事例インタビューの切り出しには、アイスブレークより「趣旨説明」の方が有効だと考えているからです。以下、その理由を述べます。

     
    理由1.【アイスブレークはごまかし、趣旨説明は明確な回答】
    取材先、つまり事例インタビューを受ける側は、取材を受けるにあたり不安を感じています。

    その不安とは、大きくは
    • いったい何を作るつもりなのか?(この人ら何しにきたのか?)」
    • 「どこにどう掲載されるのか?(ヘンなとこに載りたくないんですけど)」
    • 「掲載前に原稿チェックはできるのか(まさかいきなり掲載? それイヤなんですけど)」
    などです。

    こうした不安を解消するには、雰囲気を和らげるだけのアイスブレークよりも、疑問に明確に答えることができる趣旨説明の方が有効だと考えます。


    理由2.【アイスブレークは当たり外れがある、趣旨説明は平均的に成功する】
    事例取材では、経営者から主婦まで毎回ちがう人が出てきます。しかし村中は社交性が高くないので、そうした様々な相手にツボにはまった雑談をする自信はありません。
    たとえばインタビュー相手が経営者であるときに、村中が冗談を言ってアイスブレークするのはそもそも不謹慎であるように思いますし、また若い女性にインタビューするとき、オサンの村中がアイスブレークをしても上手くいくとは思えません。

    しかし趣旨説明をして相手の疑問(不安)を解消する回答をすることは、相手が経営者であれ若い女性であれ、等しく歓迎されます。アイスブレークよりも趣旨説明の方が、少なくとも村中にとっては成功率が高いです。


    理由3.【趣旨説明なら適切な緊張感が作れる】
    前回のエントリでも書きましたが、事例インタビューの場では取材先をリラックスさせるだけでは不十分で、有効な情報を引き出すには場に適度な緊張感が必要になります。取材の冒頭で、趣旨説明という「やや改まった話」をすれば「今からやることは雑談ではなく商談でもなく、壇三者(読者)のための取材ですよ」という雰囲気を醸成ができます。


    理由4.【アイスブレークはアドリブ、趣旨説明はワンパターン】
    これまで何百回と事例インタビューを重ねる中で、村中は「趣旨説明のトークスクリプト」を完成させました。今は相手が経営者でも主婦でも、趣旨説明は、毎回同じことをテープレコーダー的に喋っています。この汎用性の高さゆえに、趣旨説明はまさに「ノウハウ」といえます。

    今日の結論、「アイスブレークより趣旨説明。冗談よりも説明を」

    事例質問術 〜 リラックスでは不十分。「圧」が重要。

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      事例インタビューでは、取材先にリラックスして喋ってもらうことが必要ですが、しかし、それだけでは良いインタビューとはなりません。

      なぜかというとほとんどの人はリラックスして喋ると、単なる雑談か、あるいはとってつけたようなよそ行きの発言か、どちらかしかしないからです。

      言い換えると、普通の人はリラックスして話すと「自分が喋ってて気持ちのいいこと」を話します。しかし、そうした談話は文章にしても、「人に読ませるに値する情報価値」はまずありません。

      会話の目的が「取材先(お客様)に良い気分になってもらうこと」であるならそれでも問題はありませんが、顧客事例で最も大事なステークホルダーは読者(=見込み客)です。あえて順番を付けるなら、究極的には「見込み客一番、取材先2番」。取材先(既存顧客)には、ぜひ「読者(見込み客)に役立つ情報」「他人に読ませるに値する価値ある情報」をしゃべってもらわなければいけません。

      では、どうやれば取材先から「人に読ませるに値する情報」を引き出せるでしょうか。一例として、質問するときに「軽く圧をかける」という方法があります。

      圧をかける質問の例としては「何でも3つ聞く」というやり方があります。「この商品を選んだ決め手を教えてください」ではなく、「この商品を選んだ理由を3つ教えてください」のように聞きます。決め手を1つ答えるのなら簡単ですが、3点述べるとなると思考が必要になります。しかし、そこを頑張って3つ答えてもらえれば、その中に見込み客が知りたい情報がある確率が高まります。また文章にする場合も、理由が1つ、よりも3つある方が見栄えがします。この「軽く圧をかける」という手法は「回答のノルマを課す」とも表現できます。

      とはいえ「圧をかける」とか「ノルマを課す」とか、何だか表現が穏やかでありません。だいじな既存顧客にそんな失礼な質問、怖くてとてもできないとお思いかもしれません。

      これは、まったくそのとおりであって、何の配慮なしにただ圧の高い質問をすると、文字通り「高圧的」になり、相手に不快感を与えます。それを防ぐためにも、質問の方法、雰囲気作りには十分な注意が必要です。

       村中は「圧が高い質問ほど、バカっぽく聞く」ことにしています。たとえば「この商品への評価を3点教えてください」と聞きたい場合は、「使ってみて分かった、この商品のいいとこ3つ、悪いとこ3つ教えてください!」みたいなかんじで聞きます。いいとこ3つ、わるいとこ3つと良いながら、右手で3本指、左手で3本指出したりもします。わたくしアホでございますという雰囲気を醸しながら、質問内容の理屈っぽさや高圧性を和らげようとしているわけです。

      もちろん「バカっぽくする」だけが唯一の解ではありません。村中の場合は、自らのキャラクターを考慮して、それが最も適切であろうと考えて、このような道化者、幇間のポジションを取っているわけですが、キャラクターはインタビュアーそれぞれで違いますから、おのおの自分が自分にあったやり方を採用するべきです。インタビュアーが若い女性であるならまた別の方法があるでしょう。


       今日の結論、「圧のある質問をせよ。ただし雰囲気は柔らかく(バカっぽく)」、です。

       

       

      SDI(ソフトウエア定義ネットワーク)の販促視点からの商品分析(2)〜 ポジティブな話

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        (※ 前回エントリ 「ネガティブな話」からの続きです)

         *** SDNのニーズは「せっかくだから需用」である。

        「節目商品」「高級品」「もっとよくなる、であり、なくてはならない、ではない」という三つの条件が重なった場合、一般論として、その商品のニーズ構造は「せっかくだから」という一語に表せます。

        「せっかくだから需要」とは、BtoC商品でいえば、

        「一生に一度の結婚式、せっかくだから海外挙式!」
        「孫もついに小学一年生、せっかくだから良いランドセルを」、
        「久しぶりの海外旅行、せっかくだからリゾートホテルに泊まろう」
        などです。

        法人向け大規模商品の場合は、
        「我が社もついにERP導入、せっかくだからグローバルスタンダードに適応した物を」
        「10年ぶりの本社移転、せっかくだから次世代型のオフィスに」
        「五年に一度のネットワークインフラ更新、せっかくだからSDNを」
        となります。

        「節目需要」は「せっかくだから」という気持ちを起こさせやすいといえます。今回を逃すと、次の節目が来るまで、その高級品は買えないからです。

        また「せっかくだから」買う物は、当然、自他共に認める「高級品」「すごい商品」でなければいけません。

        しかしながら「せっかくだから需要」は窮極のところ「根拠のない需要」ともいえます。普及品を買ったとしても少なくとも「実用上の問題」は発生しないからです。


        普通の結婚式でも結婚は結婚だし、普通のランドセルでも勉強はできるし、普通のホテルだったとしても一晩寝ることは可能であり、問題はないといえばないです。

        同様に、次世代型オフィスでなくても仕事はできるし、
        グローバルスタンダードな高級かつ高価な先進ERPでなくても、そこそこな値段の普通のERPであっても、国内外の会計基準に対応しているのなら問題は無いし、
        同様に、SDNでない普通のネットワークでも、企業ネットワークは構築、運用できるわけです(だって今までそうしてきたんだし!)



        *** 「せっかくだから価値」の定式化(1) 〜【機能差と価格差の比を取る】

        「せっかくだから買う」という商品のユーザー価値を定式化するには、いくつかの方法があります。

        まずは機能差と価格差の比を取るという方法があります。


        高級品と普及品の商品価値の差を、価格差で割り算することで、つまり「費用対効果の差」となります。

        たとえば栄養ドリンク、ユンケル黄帝液の場合なら、「普通のユンケルなら500円、最高級のユンケルファンティーは3000円。だけど明日は負けられない試合だからユンケルファンティーにしよう! 成分の濃さが違う。効き目が違う。2500円の価格差の価値は十分ある!」となります。

        商品によっては、この費用対効果の差が「ほとんど0」になる場合もあります。

        スイス製の30万円する高級時計でも、中身のクオーツは日本製で原価は2000円ぐらいという話を聞いたことがあります。
        ではこの高級時計と、「中身は同じクオーツの5000円の普通の時計」を比べてみましょう。

        まず時計としての機能差は、同じクオーツを使っているのだから限りなくゼロ、一方、価格差は29万5000円。前者を後者で割ると、値は「ほとんど0」になります。

        (※ このような機能差、仕様差では説明できない価格差のことを「ブランド」「プレミア」といいます)

        では「先進の世界ナンバーワンERP」と「国内ナンバーワンERP」を比べるとどうなるのでしょうか。果たしてその価格差は機能差に対応しているのか。ERPのことはよく知らないのですが、直感的には対応していないような気がします。

        さてSDNの価値をこの定式に当てはめてみましょう。

        まず「SDNでできること ― 普通のネットワークでできること」 = 「(1)SDNでないとできないこと」を定義します。

        次に「SDNの導入費用 ― 普通のネットワークの導入費用」 = 「(2)価格差」を産出します。

        (1)を分子に(2)を分母に取ることにより、費用対効果が定義できます。

        ちなみに私はSDNというのは、普通のネットワークの2倍ぐらい高いのかと思っていたのですが、実際はそうでもないようです。意外にお値打ちなんだなと思いました。



        ** 「せっかくだから価値」の定式化(2) 〜【保守メンテの費用の差】

        高級品と普及品の「保守メンテの費用の差」に焦点を当てる考え方です。大きくは「いいものの方が長く使えて結局トクだ」という物の見方です。

        SDNという高級品の魅力は、「ネットワークの追加、更新、削除をするとき、専門SI会社に高額の費用を払わなくて済む(上手くすると、自分でできる)」ということです。

        この場合、そのメリットの数値化は、

        1.「過去5年間、普通のネットワークを使っていた時期の、ネットワーク追加、更新、削除のためにSI企業に支払った代金を合計する」

        2.「それと同じ量のネットワーク追加、更新を、SDN環境で実施した場合の費用を試算する」

        3.「保守化価格差(1 ― 2」と「通常のネットワークとSDNの導入価格差」を比べる。

        前者の方が数値が大きいならば、SDNを導入した方がトクだということになります。



        **** 「せっかくだから価値」の定式化(3) 〜 「ユーザーの意志」に着目。


        導入事例(顧客インタビュー)を通じて、SDNのユーザー価値を明確にしたいなら、取材先に次のような質問を投げかけるのがベストです。

        「御社は今まで普通のネットワークで十分に業務できていたわけです。それなら今回のネットワーク更新でも普通のネットワーク(あるいはVLAN)を導入するという選択肢もありえたわけです。なのに、そこをあえてSDNを導入したのはなぜでしょうか?」

        これは抽象的には「普及品を導入しても実用上は問題ないのに、なぜあえて高級品を買ったのか?」と聞いていることになります。

        この質問に対し、中身のある回答が返ってくれば、それが「SDNのユーザー価値」だといえます (「次世代を見据えて」とか「さらなる業務効率化を目指して」とかの回答ではダメです)。

        しかし、この質問は理論上は有効でも、実際の取材では怖くてとても使えません。

        第一に、この質問は、しっかり物を考えている人にしか回答できない、相当に「負荷の高い質問」「回答者が試される質問」です。うかつな相手に投げかけると、取材の場が混迷することがありえます。

        次に「なぜ普及にしなかったのか?」というこの質問は「せっかくだから」という動機で高級品を買ったユーザーにとっては「よけいなお世話」という他はありません。

        「一生に一度の結婚、せっかくだから挙式はハワイ」、
        「久々のオフィス移転、飛躍を期してデザイナーズオフィスへ!」、
        「世界No.1 ERPの導入でグローラーバルスタンダード対応を」
        「次世代ネットワーク、SDN導入!」
        と盛り上がっているユーザーに「別に普及品でもよかったんじゃないですか」なんて質問をしたら失礼です。場が凍り付きます。

        この質問はSDNのユーザー価値の確定のためにはきわめて有効ですが、2015年現在では、実用性が低いと言えます。



        *** SDNの販売には、「そこまでいうなら」が不可欠。

        「せっかくだから需要」の商品は、結婚式でもクルマでも家でも、価値が目に見えることの方が普通です。素敵な結婚式、かっこいいクルマ、立派な家、これらは全て目に見えますし、写真を撮ってカタログやHPに掲載することも可能です。

        これは、言い換えれば、わざわざ営業しなくても、写真を見ただけで、顧客の方が勝手に盛り上がって買ってくれるかもしれないということです。

        しかしSDNのような「目に見えない」「なんか高そう」なナゾの商品の場合、そのように顧客が勝手に盛り上がることは考えにくい。

        ということは、営業マンが働きかけなければいけません。
        この働きかけが成功しているかどうかの指標として、顧客に「そこまでいうなら」と言わせたら成功という考えがあります。

        「そこまでいうなら」とは、日参したり土下座したりして言わせるという話ではなりません。

        ニーズ状況も商品も価格も何一つ変わっていないにも関わらず、顧客が営業マンに感化されて、なぜか商品検討に乗り気になってしまったとき、つい口にしてしまう不思議な言葉、それが「そこまでいうなら」です。

        この言葉は、顧客と営業マンの一対一の関係の中で生まれるものであり、その意味で完全に営業マターであり、販促、マーケティングの付けいる余地はほぼありません。

        すなわち、現段階ではSDNの販売では、営業マンの力がきわめて重要だということになります。

        ※ 参考情報 「お客様が言う2つの「不思議な言葉」」



        **** 理想の販売状況

        SDNは、販売増進という観点だけで考えると、「メリットを論理的に訴求する」のではなく、巨大ERPのように「導入すること自体が目的、ステータス」になるのが望ましいといえます。

        みんなが「せっかくだから」と言い出すとき、それは「当然のこと」に変質するからです。

        したがって導入事例という販促物の役割は、この「せっかくだから → 当然のこと」というベクトルを加速させることにある、といえるでしょう。


        KPIの良し悪しを見分ける方法 ー 販促会議で事例の予算を取る方法(5)

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           前回は、KPI(重要判断指標)で物事を判断するというが、そのKPI自体が間違っていないことをどうやって担保するのか、モノサシが狂っていれば計測結果もまた狂うのだが、と述べました。

          そこで今回は、あるKPIが少なくとも「よく考え抜かれたもの」「いい加減でない、確かなもの」であることを担保する(見抜く)にはどうすれば良いか、そのノウハウを書きます。

          *******

          村中が小学生の頃は荷物は小包にして郵便局で送るものでした。親戚に荷物を送るからと、親と一緒に近所に郵便局まで重い小包を持っていった記憶があります。

          ところが1975年、ヤマト運輸が宅急便というサービスを開始しました。そのサービスでは、何とドライバーが自宅まで荷物を取りに来てくれるというではありませんか。なんと有り難いことかと思うと同時に、個人の家までドライバーが荷物取りに来て、こんなんで採算合うのかなと子供心にも思いました。

          宅急便の創設者である当時の小倉社長はこの問題に対し「荷物の密度を上げれば解決する」と考えていました。営業所エリア内の取り扱い荷物の数を増やし、トラックを空で走らせないようにすれば、もともと個人向け荷物は法人向けよりも1キロあたりの単価は高いのだから、いったん損益分岐点を超えれば後は十分な利益が確保できる、そう考えて判断指標(KPI)を「荷物の密度」に置いたのです。

          しかし小倉社長がすごいのはここからで、社員には「荷物の密度を上げろ」と言ったのではなく、「サービスが先、売上げは後」と指示したことです。
          「これから売上げのことは特に言わないが、サービスレベルについては厳しく指摘していく」と社内に告げたそうです。サービスさえ良くなれば、家庭の主婦に指示され扱い荷物は増え、荷物の密度は上がる、そうすれば売上げは自然に上がると考えたわけです。

          「車が先、荷物は後」という指示も出しました。これは「営業車は、取り扱い荷物が十分に増えてコストが回収できる見込みが立たない限り増やせない」と言い張る管理職に対し、そんなことを言っていたらサービスレベルが上がらない、まず営業車を導入しなさい、そしたら荷物は後から増えて売上げも上がりコストも回収できるからと言いました。

          小倉社長の発言のすごいのは「二番」を設定していることです。「サービスレベス最優先」「顧客様第一経営」なら誰でも言えるのですが、「サービス一番、売上げ二番」はなかなか言えません。

          KPIは「○○1番、●●2番」という言葉で表すのが理想です。やってみると分かりますが、よくよく論理的に考えて自分の中に確かな軸を持たない限り、「○○1番、●●2番」という表現は決してできません。

          今日の結論、自分が考えたKPIの良し悪しを判定するには「○○1番、●●2番」という表現ができるかどうかで見分けられます。


          KPIの恐怖 ー 販促会議で事例の予算を取る方法(4)

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             販促施策に限らず、何からの施策が上手く行っているかどうか、それは「KPIを定義してそれを追えば分かる」という考え方があります。


            KPIとはキーパフォーマンスインジケーターの略で訳すと「重要業績評価指標」というとても立派な言葉になります。「この施策のKPIは…」といえば、何だかかっこいいです。



            しかし村中はKPIという言葉を安易に使うことには反対です。


            その理由は「KPIを追えば施策の良し悪しを評価できるというが、ではそのKPI自体が適切かどうかをどうやって知るのか? 不適切なKPIで計測すると、正しい施策もダメな施策に評価されてしまう」と思うことです。

            またKPIという三文字言葉も嫌いで、単に「判断指標」と言う方が議論がブレないように思います。

            ***************************


            さて最近、弊社の顧客の某企業のマーケティング部の人からKPIについて相談を受けました。


            (Aさん):「カスタマワイズでいくつか事例を作りました。内容は営業部にも好評ですし、事例を掲載して以来ホームページからの問合せも増えています。


            しかし私たちが顧客事例に対して設定したKPIは、「ホームページ上で事例を見たその直後に問合せがいくつ生じているか」でした。この基準で見た場合、正直、事例閲覧直後の問合せはほぼありません。ホームページに事例を載せても効果はないのでしょうか」


            これに対し村中はまず質問しました。


            「数ヶ月前にAさんはホームページ経由で弊社に問合せをくださいました。それはどういうタイミングでしたか?」


            (Aさん):「事例制作各社のホームページを見比べた結果、部内でも協議した結果、カスタマワイズが良いだろうという中間結論になったので、それから改めて問合せをしました」


            (村中):「つまり『(1)まずホームページ(HP)を見て』→『(2)それから部内で協議して』→『(3).改めてHPから問合せした』という流れですね。

             このAさんの行動を『HP回遊直後の問合せをHP内コンテンツのKPIとする』という視点で評価すると、「(1)の段階では「来訪者はホームページ内のコンテンツをいろいろ見てはいるが、直後の問合せには結びついてない。一方、(3)の段階ではホームページに来るなり問合せをしている。このことから「HP内の多くのコンテンツは、問合せにはまったく結びついていない。無駄である」と結論できることになります」

            (村中):「御社の事業が一般消費者向けのネット販売か何かでしたら、「(1)何かのコンテンツを見て欲しい気持ちが高まる」「(2)そのままワンクリックで衝動買い」という経路もありえます。


             しかし法人の購買でそうした「衝動買い」はありえません。事例を見て、わーこの商品すごい、欲しくなっちゃった、問合せしちゃお!と行動する会社員はいないということです。以上のことを考えると『事例閲覧直後の問い合わせの数』はKPIとして不適切かもしれません」



            *******



            以前ある人が「我が社のホームページのKPIは、『問合せ数』である」と語っているのを聞いたことがあります。


            KPI!と言われるとスゴイことのように聞こえるのですが、しかし、よくよく考えると、あまり意味の無い考え方のような気がします。


            もちろん問合せ数が多い方がいいホームページであるに決まっています。しかし、それをKPIに据えるというのは、

            「会社の業績は利益で分かる」
            「営業マンの良し悪しは、売上げをKPIにすれば分かる」

            と言っているのと同じです。


            利益や売上げは結果であり判断指標ではない。同様にHPにとっての問い合わせ数も指標ではありません。


            *******


            KPIというものを村中なりに定義すると、それは「いくら粉飾しようとしても、そこだけは誤魔化せない部分」「だからこそ、それを見れば真実が分かってしまう指標」のことだと思います。


            いくつか例を挙げます。


            ------------------------------------------------------------
            税務調査官が『ホテルがいくら売上げを誤魔化そうとしても、タオルなどリネン類の仕入れ額の流れを見れば、本当の宿泊者数が分かる』というとき


                  → リネン類の仕入れ量が、売上げのKPIになります。

            ------------------------------------------------------------

            女性が「年を取ったとしても、顔や髪なら化粧やスタイリングで誤魔化せる。でも首筋と手だけはどうにもならない」というとき、

                → 「首筋と手が、女性の見た目年齢のKPIとなります」


            ------------------------------------------------------------
            工場のベテランが「いいか、片付けができないヤツは、結局ケガするんだ」というとき


                → 整理整頓が工場の安全度のKPIとなります。


            ------------------------------------------------------------

            この道一筋何十年のナントカ職人が「仕事の良し悪しは、『○○の裏』を見れば一発で分かる」というとき、


                     →「○○の裏」が仕事品質のKPIになっています。

            ------------------------------------------------------------


            どの例を見てもわかるとおり、いずれのKPIも「プロとしての洞察」に基づいています。KPIを「誤魔化しようのない何か」と定義するならば、それを見抜けるのはプロだけです。


            これを逆に言えば「プロとは『適切なKPIを設定できる人』のこと」と定義できます。


            「何をKPIとしているかで、あなたの実力が分かる」ともいえます(これは、「何をKPIと見なすかが、そのままその人の実力のKPIとなってしまう」という二重構造になっています)


            適切なKPIを定義するのは難しいことです。

            「今回の施策、KPIは何にする?」
            「うーん、○○の数字でも見ておけばいいんじゃないの?」

            といった安易な会話で設定できるものではないような気がします。


            (この稿、次回に続く)


            7月23日に「顧客事例とホームページ改善で問い合わせを8.5倍にする方法」セミ ナー

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               来る7月23日にWebマーケティング会社、イーナチュラルと共に「顧客事例でホームページ改善で問い合わせを8.5倍にする方法」というセミナーを開催します。


              単なる事例制作ではない、「新規開拓のための事例作り」に興味のある方、単なるWeb制作でない、「新規開拓のためのホームページ作り」に関心のある方はふるってご参加ください。


              セミナーの内容は次の通りです。


              - 顧客事例で売上げを上げた成功事例


              - 事例で売上げが上がる、理由(理論的背景)


              - 事例で売上げが上がる、本当の理由(ここだけの話)


              - 顧客事例の、基礎的な部分のおさらい。





              詳細、お申し込みはこちら
              http://www.enatural.co.jp/seminar/?mm=cw



              >> セミナーに参加されたお客様の声 <<


              ◆ 顧客事例でのCV率の高さに驚かされました。SEOばかりに目がいきがちで、検索上位にすることのみに躍起になってしまいますが、本来のWebサイトの目的(顧客獲得)に立ち返ることが大切だと実感しました。(都内企業:匿名様)

              ◆ 私達の業界で顧客事例を導入している会社がないので、弊社でいち早く導入してみたい。(都内企業:匿名様)


              ◆ 現在のホームページに"お客様の声"がありますが、見直す必要性を感じました。(都内企業:匿名様)


              ◆ 事例は過去やったことを載せればいいと思っていたが、そこにもコツ、ポイントがあるということを知れた。(都内企業:匿名様)


              ◆ 自社のHPに足りないものが判ったのと同時に、HPを作ることで事前に考えておくべき点についても考えさせられました。(都内企業:匿名様)


              ◆ とりあえずSEOやリスティング広告はやってみたものの、新規の顧客獲得につながっていないので、継続的にHP(営業マンとして)を教育していく必要があると思っています。(都内企業:匿名様)


              ◆ 具体的な事例の書き方のポイント、顧客を想定することの重要性が分かり大変参考になりました。(都内企業:匿名様)


              ◆ とてもよい刺激を頂きました。また、事例の作り方にもプロのやり方があるのが分かって良かった。(都内企業:匿名様)


              ◆ 漠然と顧客事例を載せようと考えていましたが、顧客事例がいかに重要か改めて認識できました。(都内企業:匿名様)


              ◆ 事例をまとめるために、自社サービスを色んな側面から、まとめる・知る作業の必要性を感じました。(都内企業:匿名様)


              ◆ 顧客事例を載せてみようと思いました。(都内企業:匿名様)


              ◆ 自分がお客さんにすべき人達が誰かを、もう一度再整理することにします。(都内企業:古謝様)


              ◆ 顧客(ターゲット)の設定の重要性を再認識した。(都内企業:佐藤様)

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              分かると書けるは別ー 女性向け商品の事例制作には女性インタビュアーが向いているというのは本当か?

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                 大きくは、女性の気持ちというのは、それはまあ女性の方が良く分かるはずです。


                なぜ、あんなにとりとめのないおしゃべりばかりしているのか、なぜ結論をはっきり言わないのか、なぜ目を見るだけで相手のウソがすぐ見抜けるのか、なぜポイントカードやお得な情報があんなに好きなのか、そんな女性心理を男性は頭で理解できたとしても、体感的には理解できません。



                逆もまた真なりで、男の特性、つまりなぜいちいち勝ち負けにこだわるのか、なぜすぐウンチクを語りたがるのか、なぜ威張りたがるのか、なぜそのわりにガラスのハートなのか、なぜやたらと物をコレクションしたがるのかについて、女性のみなさんは、その理由がまったく実感できないでしょう。


                ではやはり女性向け商品の事例は女性が書いた方がよく、男性向け商品の事例は男性が書いた方がよいのでしょうか。


                村中はそうでもないと思っています。なぜかというと「気持ちが分かること」と「それを他人が読んで分かる文章の形に書けること」はまた別の話だからです。今まで女性制作者が作った事例で下手なものはたくさん見たことがあります。女性だから上手いというものではありません。


                なんといいましょうか、子供の気持ちがいちばんよくわかるのは子供だと思いますが、しかし子供にウケるマンガやアニメを作っているのは子供ではなく大人であるわけで。


                事例制作の出力形態は「写真と文章」です。つまり上手な制作者は「写真と文章が上手な人」であり、そのことの方が性別より重要です。


                では事例制作が上手な人とは、どういう人かといえば、「自分と異なる境遇、属性の人の心情を、頭の中で再現、再構成してそれを元にインタビューし、文章が欠ける人」です。もっと短くいえば「他人の視点で物が見られる人」ということになります。


                この能力がある人ならば、たとえ男性であっても、他人である「女性」の視点、心情をある程度は自分の中で再構成できます。逆も真なりで女性でもある程度は男性視点で書けます。


                それは世の中に松本隆や秋元康など、女性アイドルに歌詞を提供してヒットを飛ばしている作詞家がいることからも言えることだと思います。


                女性向け商品の事例制作には女性インタビュアーが向いているというのは本当か?

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                   事例を注文するお客様から「女性の制作者を希望します」といわれることがあります。
                  「ウチの商品は女性向けです。女性インタビュアーの方が女性のお客様にとってリラックスして話しやすいと思うのです。それに女性制作者の方が、「女性の気持ち」がよく分かるので、事例の品質も上がると思うのです」と。

                   

                  今回のブログでは、この「女性向け商品には女性制作者が適任」というのは本当か?と問いかけてみることにします。でもこういう書き出しをすると話のオチはもう見えていますよね。「必ずしも適任ではない」ということです。

                  では、村中がそう思う理由をこれからお伝えします。

                   

                  抽象論はやめて実例で考えることにします。

                  たとえば「美肌化粧品」「美肌再生治療」の事例を作るとします。こうした商品のユーザーは「お肌に今ひとつ自信がない女性」「加齢と共に昔のような美肌が保てなくなった女性」と予測されます。

                  こうした女性ユーザーのもとに、もしぷるるん美肌の若い女性がインタビューしにいっとしたら、はたしてその女性ユーザーは本当にリラックスして話ができるでしょうか。

                   

                   もちろん表面上は円満に会話が進むと思います。「まあ、あなた、若くていいわねえ、お肌なんてもうツヤツヤで」といった会話も出るでしょう。しかしその女性ユーザーが本当のところ内心でどう思っているかは再考の余地があります。(村中の予想では、その人は「なにこの私の社交的な会話。あ〜、めんどくさい」と思うような気がします)

                   

                   先日、カスタマワイズの女性制作者と会話しているときに「わたし、実は美容、ダイエット、不妊治療などの微妙な商材で女性にインタビューするのは苦手です」という話が出ました。「相手の気持ちが分かる分、かえって質問できない。きっと相手も私が相手では答えにくいような気がする」とのことでした。

                   

                   「そういう意味では、女性にとって微妙な商材を男性がインタビューするというのはありだと思う。男性だったら、その女性にとっては勝ち負けの対象ではなく、自分とは無関係な単なる『インタビュアーのひと』だから、かえって話しやすいと思う」

                   「女性には女性ならではの地雷があって、わたしはそれが怖くて思い切った質問はできない。それにもし私がそれに触れたりしたら、相手の心には同じ女性だからこその許せなさが生じると思う。でも男性インタビュアーだったら、『こいつ、分かってないな〜、まあ、男だからしょうがないか』で終わるような気がする」とのことでした。

                   

                  次にそれは逆のパターン、つまり男性にとっての微妙な商材を題材に考えてみましょう。

                   

                  たとえば「育毛治療」「シークレットブーツ」などの商材の事例取材をするとします。このときインタビュアーは果たして男性が良いのか、女性が良いのか。これは微妙な選択です。

                  少なくとも「同性で、気持ちがよく分かるだろうから」というだけの理由で男性インタビュアーを選ぶことはできません。取材を受ける側の心中を考慮すると。

                   

                  村中の結論としては、「機微な商材」の場合、事例インタビュアーは取材先にとって「自分とは関係ない人、関係ないからこそリラックスした話せる人」を選ぶのがよいと考えています。

                   

                  そういう意味では、女性向け商品だからこそ男性インタビュアーを、また男性向け商品だからこそ女性向け意インタビュアーを起用するというのは、一つの選択として「あり」だと思います。

                  今週の事例動画: 「動画の長さはどれぐらいが適正か」

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                     最近は動画マーケティングが流行しているせいか、各社で事例動画が制作されています。その多くは、長さが3分から5分、ときには8分から10分ぐらいです。

                    しかし、これは率直にいって「長すぎる」のではないでしょうか。正直、会社員の人が自社の事業内容や商品の評価を訥々と語るだけの映像を、数分見続けるのは苦痛です。

                    村中は事例動画については、「理想は1分。どんなに長くても3分以内」を念頭に制作しています。

                    最近は、3本連続1分10秒以内に押さえることができました。
                    うち1本はついに「30秒」を達成しました。


                    さてこちらは村中が「はじめて作った事例動画」です。
                    (少しスクロールするとyoutube埋め込みの動画があります)



                    デビュー作なので、いま見ると音楽の使い方や編集など、未熟で恥ずかしいのですが、それでも所要時間が「1分ちょっと」で押さえてあるところは、よくやったと1年半前の自分を褒めてあげたい気持ちです。

                    十分な内容があるならば、事例動画は短ければ短いほどいいと思っています。
                    これからも「1分以内」という理想を念頭に制作したいと思います。


                    販促会議で事例の予算を取る方法(3)

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                      【売り方ではなく、買い方に注目する】

                      むかし日本海の素潜り漁の名人という老人にインタビューしたことがあります。「○○さんはなぜ素潜り漁が上手なのですか?」と質問したところ「海の中に何分潜れるかとか、そういうことはあまり関係ありません。私が他の人よりサザエやアワビをたくさん撮れるのは、この季節この天気この風向きでこの温度になれば、サザエもアワビも海底のここに現れるという、その通り道をよく知っているからです。それさえ分かれば、あとはその場所に潜って拾うだけのことであり造作もありません」という答でした。

                      つまり良い素潜り漁師の条件は、漁獲技術ではなく「相手(獲物)の知識をいかに多くもつか」にかかっているというのです。

                      これと同じことが販促施策の立案でもいえます。
                      販促施策を立てるときは、「どうやって売るか」を考えるより先に、まず自分たちの顧客はふだん商品をどう買っているのかという「買い方」を知る努力をするべきです。

                      「(自分たちが)どう売るか」に意識を向けると、「(自分たちの)思いや気分」が先行してしまいます。

                      そうではなく買う側である顧客の意志決定の経路、すなわち魚の通り道ならぬ「顧客の通り道」について、因果関係、ストーリーを以て念入りに想定、シミュレーションしましょう。

                      そのストーリーに対応させる形で、リストアップした「集める施策」「追いかける制作」の「実行する/しない」および「どの程度の重み付けで実行するか」を策定していきます。

                      これは購買に至る「顧客の通り道」の要所要所に、顧客が商品を買いたくなるような、あるいは買いやすくなるような仕掛けを設置するようなイメージです。

                      魚を取るために必要なのは、「あなたがどう釣りたいか」ではなく、魚はいつどこにたくさんいるのか、季節や天候の変化に応じて海中をどう移動していくのかという知識です。

                      同様に、販促施策を策定するときの根拠は、「御社がどう売りたいか」ではなく、「顧客はどう買っているか」の方であるべきです。


                      (※ この記事、次回へ続く)



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