「レビューと広告のいいとこ取り」
と、某マーケティング系の上場企業の担当者から聞かれたので、とっさに、
「レビューと広告のいいとこ取り、とかでどうでしょうか」
と返答しました。
「レビューと広告のいいとこ取り」
わりとこれで一行説明としては良いのではないかと思いました。
- 2012.01.23 Monday
- 事例全般
- 18:57
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- by 村中明彦
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(事例制作者のみなさまへ )
初級・中級・上級の下ぐらいまでの制作者の場合、クライアントとの打ち合わせは、「クライアントのやりたいことをよくヒアリングしてそれを理解する」という方針で良いと思います。つまり、「あなたの”やりたい!”を実現します」というものです。
しかし、上級を目指す場合、打ち合わせの方針は、「現状、現況、事実を列挙、確認の上、【それに基づいて】、どういう事例の書き方をするのが、販売促進上、最も有効かをクライアントと共に考える」ということになるでしょう。
先の文では、「クライアントの戦略」「クライアントにとってのターゲット」「クライアントのやりたいこと」となどを指す単語を、注意深く排除しました。
もちろん事例制作は客商売ですから、「クライアントの意向」は当然、重視しますが、「クライアントの意向、戦略」も、場合によっては、「クライアントの夢、希望、願望」であったりします。事実と願望を選り分けて、注意深く、理屈を組み上げ、クライアントの願望だけに振り回されないように注意します。
くりかえしますが、事例制作は客商売なので、もちろんクライアントに反抗したり、「こうするべきですよ、当然でしょ!」のような態度を取るのは厳禁です。我々は(あなたは)、そんなにエラくありません。
しかしだからといって、上級の打ち合わせの場合は、「クライアント様の戦略をお聞きして、それの実現に全力を尽くします」という態度ではいけないのです。自分で言うと、口が痒い話ですが、上級編の打ち合わせには、「コンサルティング」という名前をつけてもいいのではないかと思っています。つまり、上級の事例制作者を目指すならば、コンサルティングができないといけないということになります 。一方、初級、中級の打ち合わせは「ヒアリング」、「オリエン」という考え方で良いと思います。
上級を目指す人は、それを念頭に置いてください( 「私は中級までで良いです」というひとは、そういうややこしいことは考える必要はありません。「お客様のやりたい!を実現する」という姿勢でオッケーです)。
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※ 以下、お友達会社のセミナーの告知です。ご関心のあるかたは、ご一読ください。
なお、村中は本セミナーには参加した経験はなく、本告知は主催者の文の引用であることをあらかじめご了承ください。
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以下、ナレッジサイン吉岡氏の告知文の引用です。
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さて、本日は、ナレッジサイン10年のノウハウをたな卸しする公開研修の
お知らせです。
ナレッジサインは、これまでファシリテーション技術の会社として
営業支援や教育事業を営んできましたが、今年第10期を迎えるにあたり、
これまでのノウハウを一度たな卸しして、新たなスキル領域の開発を
スタートさせます。
これまで「ファシリテーションスキル」と呼んでいたものを、新たな概念で
再構成し、「ファシリテーション」に代わる新しい用語を誕生させたいと
思っております。
そこで、これまでの約10年のノウハウを講師自らがふり返るような形で
公開の研修を実施することになりました。
言ってみれば、ファシリテーションスキル2.0に移行する前の、
ファシリテーションスキル1.0の卒業研修です。
と言うと、残り物の売りつくし的な感じに聴こえますが、
別に古臭くなったスキルの研修というわけではなく、
過去10年の研修の中のおいしいところだけを切り取った研修をやる
予定です。
日程は下記の通りです。
よろしければ参加ご検討ください。
◆ナレッジサイン10年のノウハウ集大成公開研修3番勝負
◎1月30日(月)会議ファシリテーション研修 1日速習講座
時間 9:15〜16:30 受講料42,000円(税込)
◎2月23日(木)相手にわかりやすく、正確に伝えるためのプレゼン力研修
時間 9:15〜16:30 受講料31,500円(税込)
◎3月22日(木)会議ファシリテーション研修 1日速習講座
時間 9:15〜16:30 受講料42,000円(税込)
※1月の研修もしくは3月の研修と、2月の研修をセットで受講する場合、
受講料通常73,500円(税込)のところ、63,000円(税込)にセット割引
詳細&お申込み⇒ http://www.k-signs.co.jp/facl/pro4.html
※ 村中さんからのご紹介の方には、受講者に10%割引。
村中さんには、1名につき3,000円の紹介マージンを
お支払いしたいと思います。
申込みの備考欄に「村中さん紹介」と書いていただければけっこうです。
1月あるいは3月の研修と2月の研修をセットで受講すると、セット割引も
あるのですが、村中さんのご紹介の方には、単発での受講でも別途10%割引させていただきます。
セットの場合も、セット割引からさらに10%割引いたします。
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日本語の文章は、動詞を連ねて書く、「動詞文」が基本です。
たとえば日本語では、「電車が来ますので、後ろに下がってお待ちください」というところを、ドイツ語では「電車の到着に際し、一歩下がるように」というような言い方をします。「来ますので」のように、動詞を使うのではなく、「到着に際し」のように「到着」という名詞を使うのです。
Maria looks much prettier with her hair cut short.というのは、逐語訳すると、「マリアは、短く切った髪に伴い、よりかわいく見える」ということですが、これは普通の日本語では、「髪を短くしたらマリアはずっとかわいくなった」となりあす。英語の方が、with her hair cut short.のように、名詞で状況説明するのに対し、日本語の方では、「短くしたら〜 → かわいくなった」のように動詞を連ねて話を展開しています。
さて、しばらく前の事例制作者の文章で次のようなものを見つけました。
「ASPによるコスト削減はお客様には当然の結果です」
これは意味を解読するのに、少々、骨が折れます。原因は、この文が、名詞を、てにをはでつないだ名詞文だからです。
動詞文に直すと
「ASPを使えばコストが削減できるのは、当たり前です」
となります。この方が、分かりよいと思うのですが、どうでしょうか。
ただし、文章を分かり良くすると、書き手(事例制作者)には別のプレッシャーがかかることになります。
「ASPを使えばコストが削減できるのは、当たり前です」という文章、私が読者だったら、反射的に「だからどうした」と思うでしょう。
しかし、「ASPによるコスト削減はお客様には当然の結果です」には、そういう「反射的な感情」は起きにくい。なぜかというと、さっと読んだだけでは意味がよくわからないので、したがって、反発もおきないのです。
「わかりやすくて内容が乏しい文」と、「わかりにくくて内容が乏しい文」では、前者の方が反発を受けやすいのです(内容の乏しさがすぐバレるから)
わかりやすく書くというのは実はコワイことなのです。
わかりやすく書くからには、内容のあることを書かなければいけないのです。
カスタマワイズが、顧客事例を、通常の文章ではなく、インタビュー形式にしている理由の一つが、「内容のあることを書くというプレッシャーを制作者に与えること」です。
通常の文章ですと、決まり文句や難しい言葉を形式通りに並べておけば、何やらこけおどし効果が働いて、よく読めば中身のない内容であっても、なんだかもっともらしく見えるのですね。
でもインタビュー形式というのは、口語体、カジュアルな、わりとわかりやすく書きやすい形式なので、内容の乏しいことを書くと、とたんにマヌケな印象になるのです。インタビュー形式で文章を書くからには、そのハードルを乗り越えて、きっちり中身のある内容を書かなければいけないのです。
次にあげるCMの有名コピーには文章技術の面で共通点があります。
「そうだ、京都、行こう」
「金鳥の夏、日本の夏」
「ゴホン! といえば、龍角散」
「飲む前に、飲む!」
「私は、スイカと、暮らしています」
「触ってごらん、ウールだよ」
「男は黙って、サッポロビール」
それは、「形容詞を使っていない」ということです。
形容詞というのは、美しい、楽しい、おいしい、さわやかなどの言葉です。
コピーライティングの世界では、「上級表現を使うな」とい指導があるそうです。上級表現とは「究極」「最高」「極上」「この上なく」などのことばです。「究極と書いてあれば、見る人が『おお、究極なのか!』と思う? そんなに簡単だったらコピーライターなんかいらない」というわけです。
コピーライティングで、美しい、楽しい、すごいなどの形容詞が使われないのも、同じような理由からだと思います。
さて、数年前に事例制作スタッフが上げてきた、事例のキャッチコピーで、「○○○の導入により大きな安心が得られました」というものがありました。
このコピーは、二つの点で良くない。まず良くない点の第一は、「理由が書いていないこと」です。なぜ理由を書くことが必要なのかの理由は、こちらをご覧ください。http://blog.customerwise.net/?eid=1233694
次に良くない点は、全体論旨の説得力不足を、「形容詞の塗り重ね」で補おうとしている点です。具体的には「大きな安心」という言葉です。
「○○○の導入により安心が得られました」だと何となくアホっぽい。じゃあ、「大きな」をつけておけば何とかなるだろうというわけで、「○○○の導入により大きな安心が得られました」となるわけですが、それはやはり安易な誤魔かしです。
「大きな安心」という言葉でいけないのは、実は「安心」という単語の方です。「安心」は、BtoBの事例コピーに使うには情緒的すぎます。あと、やっぱりキャッチコピーに使うには、「芸無し」の単語です。「究極」「最高」などの上級表現の仲間の単語であるような気がします(このあたりのことは、書き手にも何となく気づいているのだと思います。だから「大きな」という言葉を補って、ごまかそうとするわけです)。
こういう表現を私は、「すごくおいしい文」と呼んでいます。食べ物のコピーに「おいしい」という言葉を使って、インパクトがないと評されたので、じゃあ直しますといって、「すごくおいしい」に変えるようなやり方です。
この場合は、形容詞や、副詞を塗り重ねるのではなく、そもそも「おいしい」という言葉を使っていること自体がマズイんじゃないかと考えるところだと思います。
単語の選択は慎重に
形容詞や副詞を塗り重ねるのはやめましょう。
キャッチの中で形容詞はなるべく使わないように。
もし使う場合は、一撃必殺をめざしましょう。
一撃必殺というのは、その形容詞以外ありえない状態、動かない状態です。
個人的には、CMのキャッチコピーで、これは形容詞が一撃必殺だと感じたのは、
「きれいなおねえさんは好きですか?」
です。
事例制作者のみなさんの原稿で「きっかけ」という言葉をよく見かけます。
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「― ○○ソリューションを、どのようなきっかけで利用し始めましたか」
「○○を検討したきっかけは何ですか」
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これが実は、村中には気になっています。
第一に、「きっかけ」とは、基本的に「偶然に起きるもの」です。
例文:「また、足元では、ユーロの明確な買い材料は見当たらないものの、何かのきっかけでユーロ買いの動きが拡がるようであれば…」
しかし、事例、特にBtoBの事例の場合、その行動は、対外的には、必然に基づいていなければいけません。「対外的には」というところに注意してください。実際には、「取引先とのふとした会話がきっかけとなって…」、「会長の一言がきっかけで…」、ことが起きるのは良くある話です。しかし、外向きには、後付でもいいので、きっかけの他に「理由」が必要になるのです。
第二に、「きっかけ」とは、「ふとしたきっかけ」という言葉からも分かるとおり、小さい物、ちょっとしたことです。
例文:「自信がない」にさようなら。「自信をつくる22のきっかけ」
BtoB事例の場合、数百万円の商品を導入した理由を、「きっかけ」と表現するのは、若干、外聞がよくありません。個人的には、「きっかけ」というのは企業の言葉ではなく個人の言葉だと思います。
「偶然」「ちょっとしたこと」がきっかけであるとすれば、たとえば、「あなたが今の彼氏・彼女と付き合い始めたきっかけは何ですか?」のように使うのは適切だと思います。この場合は、先ほどの企業の例とは逆に、「あなたが今の彼氏・彼女と付き合い始めた理由は何ですか?」とか「あなたが今の彼氏・彼女と付き合い始めた経緯を教えてください」と言ったりすると、かえって不適切になります。
この質問への回答は、「きっかけは、サークルで一緒になったこと」、「きっかけは、花火大会」などになります。
「きっかけは合コン」というのはわりとOKですが、「きっかけはお見合いパーティー」になると、少しヘンで、「きっかけはお見合い」になるとだいぶアウト、「きっかけは、親が小さい頃から決めていました」では明らかに不自然です。
合コン → お見合いパーティー → お見合い → 親が決めていた、の順に、偶然性が低まり、計画性が高まっていきます。それにつれて「きっかけ」という言葉は不適切になるのです。
とある結婚式。新郎の会社の上司で、見るからに実直、木訥、素朴な人が、スピーチしたとします。
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「えー、本日は新郎●●さん、新婦○○さんの華燭の典に、私のような者が祝辞を述べる機会を与えてていただき、誠に恐縮のいたりでございます。私、新郎●●さんの勤務しております、●●株式会社、○○事業部、**部門 **課で、●●さんの上司を務めております○田△秀と申します。本日は一つ、よろしくお願いいたします。さて、新郎新婦へのお祝いの言葉を述べるために、まず新郎の勤務している●●株式会社の紹介を簡単にお伝えしたい思います。●●株式会社は、昭和33年、□□社という社名で設立され… (以下、会社紹介が延々続く…)」
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このように、話の冒頭で、本題と関係ない話題を延々と続けるのは、よくないスピーチの典型とされています。運悪くこうしたスピーチに出くわした場合、聞いている方は、大変な苦痛なのですが、壇上の本人は、それに気づく余裕もなく、汗をかきかき、必死にっしゃべりつづけます。
さて、こちら、3年ほど前にカスタマワイズの初級事例制作者が作った事例の書き出しです
(※ 「クライアントA社から依頼を受けて、商品Bの事例を、●■△情報株式会社に取材にいったもの」とお考え下さい。つまり、喋っているのは、●■△情報の人、その事例制作者から見ると「お客様のお客様」です。なお、内容、設定は原文から変更しています)
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●■△情報は19**年に●●株式会社の情報システム部門が分立独立して設立された会社です。19**年には、さらにグループ会社である○○社のシステム部門を吸収、そして、199**年の●●株式会社と■■株式会社、△△株式会社の三社統合による、●■△株式会社の発足を契機に、200*年に、社名を現在の●■△情報へと変更、そして3年後の200*年には、ソリューション事業、システム保守事業の強化を図って、$$株式会社と&&株式会社を統合し、現在に至ります。
当社の強みは、ダウンタイムが許されない%%事業を営む●■△株式会社の遺伝心を継承していることがもたらす… (以下、約1000字に渡り、●■△情報の紹介が続く)
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この書き出しは良くありません。よくまとまった、きれいな文で書いたとしても、やはりダメ。文章力(「どう書くか」)の問題ではなく、題材(「何を書くか」)の選択がマズイ。「●■△情報の沿革」は商品とは特に関係ありません。本題に関係のない話を読まされるのは苦痛ですから。、
ところで、こういう書き出しで文章を書く人は、スピーチが長い人と同じで、たいてい真面目で誠実な人です。「真面目で誠実」というのは、通常、良いことですが、しかし、文章を書く場面においては、「この手の真面目さ、誠実さ」は、むしろ害毒です。
第一に、クライアント(カスタマワイズの顧客)に迷惑となります。こうした取材先の紹介が延々と続く文章は、冒頭で紹介した、前置きばかりが長く、なかなか本題に達しないスピーチと同じで、読み続けるのが苦痛です。しかし、結婚式のスピーチの場合は、聞き手は苦痛であってもじっと座り続けていなければなりせんが、顧客事例の「読者」に、そのような義務はありません。最悪の場合は、文章を読むのをやめるでしょう。事例の冒頭(含むキャッチコピー)で大事なことは、「読者に、この話は自分に関係ある話だ。これから労力を投入してでも読むに値する話だ」と思ってもらうことです。会社の沿革を延々と語る書き出しに対し、「これは自分と関係がある!」と思ってくれるのは、その会社の関係者と取引先だけです。
第二に、クライアントのクライアント(カスタマワイズの顧客の顧客)にとっても良いことではありません。長いスピーチを聞かされると、座って聞いている人は、「ダメだな〜、この人」と内心思います。この場合は、ある意味、自業自得なので問題ないといえばないのですが、しかし、インタビュー形式の顧客事例の場合、内容の語り手は取材先(顧客の顧客)です。ここでムダに長い話をすると、読者が取材先に悪印象を持つ可能性があります。少なくとも好印象はもたないでしょう。事例制作者にしてみれば、冒頭で取材先の会社の情報を多く語ることで、取材先のアピールに一役買っているとの意識があるかもしれませんが、最悪の場合、ひいきのひいき倒しになります。そもそも、事例の読者は、他人の会社の正確な沿革に興味なはありません。
誤解なきよう記しますと、村中は「冒頭で会社紹介をするな」と言っているのではありません。「読み手の興味を考えて、ほどよく」と言いたいのです。要はバランスです。
さて、初級事例制作者は、なぜこのような長ったらしい会社紹介を書いてしまうのでしょうか。実は、けっこうあり得る理由として、「打ち合わせのとき、クライアントに、商品の情報ばかりじゃなくて、○△□情報の取り組みについても書いて欲しいと言われたから、書いた」ということがあります。
しかし、クライアントが求めているのは、「○△□情報の取り組みについて書いてほしい」ということであり、「○△□情報の沿革を冒頭で長々語ってほしい」ということではありません。これは「言われたとおりにやってしまう」という真面目な人が嵌りやすい落とし穴といえます。
結婚式で長いスピーチをした人も、もしかしたら事前に新郎から「僕の勤めている会社のことも出席者に知ってもらいたいので、少し紹介しておいてください」とでも言われたのかもしれません。でも、それと、「長々と沿革を語ること」とは話は別です。
繰り返し述べますが、「この種の真面目さ」は事例制作においては害毒です。文章は、読者本位で書かねばなりません。究極のところでは、クライアントと読者では、読者を優先させるべきなのです。なぜなら、事例の読者とは、すなわちクライアントの【見こみ客】に他ならず、事例とはそもそも見こみ客にアピールするために作るものからです。
本日、新潟出張、ただいま柏崎へ向かう特急北越4号の窓の外は一面の銀世界ですが、
さて、実は、日本は世界有数(いや、もしかしたら世界一の)豪雪国だそうです。
これまで雪深い国というのは、トナカイがソリを引くロシアや北欧だとばかり思っていましたが、実は、新潟や青森、札幌の方が、多くの雪が降る豪雪地帯なのだそうです。
ここでの豪雪とは、冬の間の通算積雪量を指します。もちろんそれだけの数字を見るならば、世界の秘境、奥地で、日本以上に雪が降る場所はありますが、日本の場合は、人が住んでいる場所に、猛烈に雪が降るのです。いや、これは正確には、猛烈に雪が降る場所であるにもかかわらず、人が住んでいると言う方が正確ですが。特に青森は、人口30万人以上が住む年としては、世界最大の積雪量だそうです。
また、札幌も、「人類社会始まって以来の豪雪の大都会」だそうです。
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私はこれまで世界各国を歩いてきたが、豪雪地帯に200万からの人間が住んでいる札幌のような街は見たことがない。恐らく、こんな街は世界広しと言えども他にはないだろう。確かに、札幌と同程度以上に寒い大都会は世界中にゴマンとある、思い付くだけでもモスクワ、ストックホルム、シカゴ、トロント、北京、ソウル・・・しかしこれらの都市の中で札幌ほど大量の雪の降る街はない。世界の地図帳をひもといて見ると、1月の降雪量が100ミリ以上になる豪雪地帯は地球上でもごく限られており、スカンジナビア半島西岸、北米大陸の西岸(バンクーバー以北)、北日本の西岸、ニュージーランドの西岸、南米大陸最南端(パタゴニア)くらいしかない。これらの地域のなかで、地下鉄が通り、きらびやかな繁華街を持ち、人々が快適で整然とした近代生活を送れるような大都市は札幌以外にない。来月から始まる「札幌雪まつり」には世界各国から人が集まるそうだが、世界中の人々は恐らく人類社会に始まって以来の、「豪雪の大都会」サッポロを驚嘆の眼で見ているのかもしれない。
http://manachan.150m.com/travel_sapporo.htm
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Yahoo知恵袋にも「世界一の豪雪地って日本なのですか?」という質問がありました。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1215149067
雪というのは、海(または湖)の水が蒸発し、それが風に運ばれて、山に当たり、凍って落ちて来るというものです。
したがって、雪がたくさん降るためには、まず大きな海(またはカスピ海クラスの巨大湖)が必要ですが、日本の場合は、日本海がそれにあたります。
次に、その海はあまり冷たすぎてもダメで、水が蒸発するぐらいにはそこそこ暖かくなければいけませんが、日本海には暖流も混じっていてこれまた条件を満たします。
次に、蒸発した水が風に乗って陸地までやってこなければいけませんが、日本海で蒸発した水は、偏西風に乗って、日本にやってきます(ちなみに、これが同じく日本海を近くに従えながら、韓国が豪雪にならない理由です)。
さらに、その水を含んだ風は、山に当たって落ちてこなければいけませんが、日本は、山岳国なのでその条件を満たしています。
そして、このような条件を満たした場所は、世界地図を見ても、よくよく考えるとあんまりありません(ないこともないですが、先ほどの紹介記事にもあったとおり、たいていは人口が多くない場所です)
「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。夜の底が白くなった」というのは、
群馬と新潟(越後湯沢)の国境のことを指します。今日は新幹線に乗って新潟県柏崎市へ出張なので、9:18大宮発の新幹線に乗りました。高崎などカラッとしていて雪などいっさいないのに、それから新幹線で二駅、上毛高原と越後湯沢駅の間の長いトンネルを抜けると、本当に、一気に信じられないぐらい、真っ白の白銀の世界になります。この変化はおどろきです。
また、よくよく考えると、世界の高速鉄道が走っている中で、ここまで劇的に空っ風の国から、深い雪国へと劇的に景色が変化する光景はあまりないのではないでしょうか。
インタビューの時に、相手が、えらく個性的な言い回しで、商品の印象を語ることがあります。
おお、これは面白い、この言い回しをそのままキャッチコピーに使おう、きっと「お客様のナマの声」として、すごくリアリティにあるキャッチコピーになるにちがいないと思い、やってみると、実は、これがたいてい面白くありません。
個性的というよりは、単なる【ヘンな】言い回しになります。場合によっては言ってることが意味不明になってしまいます。
なぜインタビュー中には生き生きと個性的に聞こえた、お客様のナマの声が、活字にすると、単なるヘンな言葉になるのでしょうか。それには次の理由が考えられます。
- 事例作成者は、取材先の話に興味津々、もっと聞きたいと思って聞いています。だから、相手の話が3割増しぐらいで面白く聞こえます。だが、事例の読者は、そこまで取材先に興味はありません。この例えが適切かどうかわかりませんが、たとえば子供の成長記録フィルムは、親にとってはたまらなく楽しい物ですが、他人が見ると退屈です。
- インタビュー中に聞こえるのは、声であり、相手の身振り、手振り、熱気、バイブレーションをも同時に感じることができます。この時、相手の言葉は3割増しぐらいで生き生きと聞こえます。しかし、事例のキャッチコピーというのは【単なる活字】なので、そうした生き生き感は生じません。
- インタビュー中に出てくる「個性的な言い回し」を、インタビュアー(事例制作者)は、【全体の文脈】の中で聞いているので、少々、突飛な言い回しでも意味がよく分かります。しかし、事例のキャッチコピーの場合、読者は、それを【いちばん最初に、単独で】目にするので、突飛なことが書いてあった場合、単なる意味不明のヘンな言い方になります。
ここまでキャッチコピーを例にして話しましたが、実は、本文の中でも話は同じです。取材先の話す、「おもしろい言い回し」とやらは、文章にした場合、面白さ7割減と思って、まず間違いありません。
このことは、言いかえるなら「言い回しは無力」、さらに言えば「感想、印象は無力」ともいえます。
顧客事例のキャッチコピーや文章に、リアリティ、生き生き感、迫真性をもたらすのは、「言い回し」「感想」ではなく、「事実」「できごと」「固有名詞」です。事実とは、いわゆる5W1Hのこと。これを面倒がらずにインタビュー中に、いかに大量に正確に網羅的に拾っておくかで、つくりあげる文章のリアリティが変わってきます。
「感想は無力」、「事実がすべて」なのです。
商品の機能を事例の中で、お客様(取材先〜にとくとくと語らせるのは、あまり得策ではありません。商品の機能はパンフレットの中で語ればいいからです。特に商品の機能に再現性がある場合はなおさらです。
それよりはむしろ、その商品の使いこなし方、それを選んだときの判断基準(「選んだ理由」ではないことに注意)を語っていただく方が適切です。それらの情報は、話者が、「買って使っている実際のユーザー」でないと、語れない情報だからです。
なお、一部ソフトウエアやコンサルティングなど、機能の再現性が低い商品の場合は、事例の中で機能を語るのもアリだと思います。機能に再現性がない(低い)というこは、それをパンフレットなどに【明記】できないからです。再現性のない機能は、実際に買って使ったユーザーの【体験】を通じて書くほかありません。